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プリンタのインクについて

プリンタの一般的なインクと特殊用途のインクについて

プリンタの機種やメーカーによってプリンターヘッド(インクを噴出す部分)のインク成分が違うのが一般的です。(OEM販売等もあり全てのメーカーのヘッドが違う訳ではありません。)

水性のインク:


 一般的なプリンタで染料インクを使用した物があります。染料系のインクは彩度が高くインクの粒子が細かい為、高画質の画像を出力する事が出来ます。(プリンターの表現できる色数が多い。特に淡い色ディテール表現が滑らかにプリントされます。)プリンタのインクヘッド方式にもよりますが、バブルジェット方式で600dpi~2400dpiの出力解像度を保つ事が可能です。でも、屋外で使用する横断幕を制作する場合は染料系のインクは出力後も濡れるとすぐに水に溶け出してしまうのと、紫外線や空気中の成分に犯されやすく、1~2週間で退色(色がさめて来る。)する為、日差しの強いところ(屋内であっても)や、雨風の当る屋外での使用は出来ない物と考えた方が良い。
 
 水性系のインクで顔料系にのインクに切り替えて使用できるプリンタがあります。(染料インクか顔料インクかいずれか始めに選択できる。途中での切り替えはヘッド方式により違いが有るが、一般的にはプリンタを購入する前に決定しておく事をお勧めします。)
 
 この全体に暗くなる程度は顔料インクメーカーやインクヘッド(機種)により違っています。何が違っているのかと言うと、顔料インクといっても、100%の顔料だけでインクを作ると出力画像が暗くなりすぎるため、サイドが高い染料インクとの調合で作って彩度を保たせている訳です。この調合割合が各メーカーが苦労しているところでノウハウと言って良いと思います。
 
 このインクの成分によってプリンタの出力カラーのテーブルも大きく変わってきます。顔料成分が多い場合画像が暗く色数が少なくなるのですが。紫外線や空気中の成分に犯されにくく、屋内で使用するする横断幕であれば何年でも退色する事はありません。(私の実感では10年以上耐久性がある様ですが屋外では4~5年位でしょうか。)
 
 それに水性顔料インクは一度乾燥してしまうと、たとえ水の中に入れても溶け出してくる事がありません。顔料系のインクは彩度が低く全体に暗い画像表現になります(プリンターの表現できる色数は染料インクに比べ少ない。)(顔料インクと染料インクの調合比により一概に言えないので、実際出力して一度プリントした物を完全に乾燥させてから水の中に入れ手で擦るなどして確かめて見る事をお勧めします。)
 
 屋外で横断幕を掲示する目安は一年位です。(表面にラミネートをしたりする事により掲示期間を2~3年程度にする事も可能です。)
 
 

ラテックスインク:


 水性顔料インクです。近年出てきた新種のインク、 水性の顔料インクで定着時に100度C前後に定着温度を上げて顔料インクをラテックス成分で包み込みメディアに定着させるインクです。一般に水性インクで必要とする受理層を必要としない為、画期的なインクと言われている。水性インクをラテックス成分で包み込む為、完全に防水が保たれて屋外で3年、ラミネートをする事で5年程度の耐候性がある。屋外使用を目的とした横断幕や懸垂幕・応援幕の場合はメディアは塩ビフイルムやターポリン等を使用しなくてはなりません。このインクは水性でである為、高解像度が期待できる為、まじかで見る事のある掲示物(横断幕)の場合には最適と思われています。
 
 あえて、欠点を挙げるとすれば、出力設定とメディアがマッチングしていればこそ高耐候性が期待できるのですが、この出力設定が間違えていれば出力画像が手で擦るだけで取れてしまうものが有ります。それに、出力後の加工作業時に未定着状態はすぐに解る為、一般市場に出る事はないのではないかと思われます。
 

溶剤インク:


 有機溶剤系インクで顔料インクで一般的なプリンタとしては販売されず、工業用として使用されている。インクジェット用はメディア表面に受理層が施されている物を使用するのが普通ではあるのですが、溶剤インクの場合はメディアの表面を溶かして顔料を定着させるので塩ビ系のメディアに限定して使用されている。プリンタから出力する際にヒーターで擦れても画像が壊れない程度まで乾燥して出力されて来るのだが、完全に乾燥するのには常温で1~2週間程度は時間が掛かる。
 
 溶剤系のインクはラミネート等をする事により3~5年程度の耐候性があります。出力解像度が高いプリンタヘッドのあるインク顔料は解像度の低いプリンタヘッドのインクに比べて顔料の粒子が小さい為、半分程度の耐候性しかないのが普通です。(あえて、解像度は書きません。)解像度の高いプリンタヘッドはインクの噴出しの穴が当然、低解像度(高解像度に比べて)のプリンタヘッドの穴より小さくなければならない為、顔料を小さくしています。その為、耐候性が弱くなるのです。(言い換えれば溶剤インクを使用しているプリンタで出力解像度が高ければ高いほど耐候性が短くなる傾向が有ると云う事になります。)溶剤インクは横断幕等の制作に一番多く使用されているインクタイプです。
 

UVインク:


 水性顔料紫外線硬化インクで一般的なプリンタとしての用途は少なく、素材に木材、金属板、プラスティックと言った硬いメディアにプリントが出来るインクです。塩ビ・ターポリン・紙等にもプリントは可能ですが、紫外線を当てる事によりインクをメディアの上に盛上げて固める為、柔らかいシート状の面から剥がれやすいので、硬く曲がらない素材に限定されてしまいます。
 
 クリアーインクが搭載されてプリント表面を光沢の調整が出来たりプリント面の盛上げができたりと結構特殊用途に開けたインクです。横断幕等に使用した場合収納時に畳んだりすると、その部分の硬化したインクが割れてしまう事かあるため、長期間掲示している横断幕や懸垂幕には向いていると思いますが。短期間に掲示して出し入れする横断幕や応援幕・懸垂幕の場合は何度も繰り返す内にベタ画像部分が割れて取れてしまう傾向がある為シート状の物には使用しない方が良いと考えています。
 

昇華インク:


 水性の昇華染料インクでポリエステル系の布にプリントして200℃前後の温度でインクを熱してガス化させポリエステル繊維に染込ませ定着させる物です。ポリエステル布に限定したインクで、直接布に画像をプリントする場合と、いったん転写紙にプリントしてから、その後ポリエステル布と重ねて200℃前後の温度を加え転写する方法があり、この場合はプリンタの他に転写用の機材などが必要となってくる。
 
 この類のインクはプリント叉は、転写等の他にも布の素材により様々な定着方法があり単にプリントすると言ったものとは別の世界のような面がある。このインクは布素材に特化した物なので、仕上がりは十分に満足できる為にTシャツプリントや横断幕や懸垂幕を作る場合に適しています。
 
 プリントした物を実際使用すると1年間程度の長期に渡って掲示できるかと言えば、横断幕や懸垂幕の周囲の補強を施しても屋外に掲示しつづけるには布製ではインクの対候性の事よりも布事態の耐久性がある為、ターポリン素材の横断幕や懸垂幕を選択した方が良いと思います。のぼり旗も同様で、1日中出しっぱなしで1年間放置状態ではボロボロになってしまい、『だらしないお店』を宣伝しているのと同じ事になってしましますのでお気を付け下さい。

※(掲示期間が2~3週間程度であっても、何年も使用するのであれば、ターポリン製をお選び下さい。)

 

サーマルインク:


 サーマルインクリボンは染料系と顔料系のリボンを選択することが出来ます。染料系のリボンテープは顔料系のリボンテープに比べローコストでハンディタイプの小型の物にはよく使用されています。メタリックカラーや白色などインクジェットプリンターでは表現の難しい色が出せるなどの大きな特徴も有り、サーマルならではのインクと言えます。
 
 リボンテープにはテープ幅が機種により7~8ミリから1000ミリ前後のものまで存在するが、幅の狭い物はテープのつなぎ(重なり)が出てくる。幅が広ければ1文字の為にたくさんのテープが一気に動いてしまいコストが掛かり過ぎてしまいます。屋外の横断幕や懸垂幕には使用しているのは少ないと思います。

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ポンジ
薄手のポリエステル100%布製品裏面は裏文字で見えます。
厚手のポリエステル100%布製品裏面は白地です。
ターポリン
軽く柔らかいターポリン素材を使用しています。裏面は白地です。

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